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第45回:株式会社つくば山水亭
 つくば山水亭はつくば国際会議場のレストラン「エスポワール」と同じサンスイグループに属しています。つくばサイエンス・アカデミー(SAT)の最大の行事でありますテクノロジーショーケースはつくば国際会議場で開催されています関係で、優秀なポスター発表者を表彰する懇親会、科学講演と芸術とのコラボであるSATつくばスタイル交流会の茶話会、SATサイエンスカフェなどはレストラン「エスポワール」を会場としています。私たちの事業を直接に支援いただいている賛助会員です。また、5月15〜17日のG7科学技術大臣会合ではつくば山水亭は大臣の昼食会場になりました。
 小野崎にある(株)つくば山水亭を訪問したのは間もなく梅雨入りを予感させる5月下旬でしたが、当日は晴れた一日でした。対応いただきましたのはつくば山水亭などつくば市内で多くの事業を展開されているサンスイグループ代表の東郷治久様、SAT側からコーディネータの伊ケ崎が訪問致しました。
 名刺交換後の自己紹介の中で、代表は国際会議場の副館長吉田様とは同郷(常総市水海道)、しかも私と同じ昭和23年生まれ、若いときに仕事で私の故郷の山口県に半年程度滞在した経験をお持ちであることがわかりました。サンスイグループの代表がインタビューに対応いただくということで緊張していましたが、リラックスできました。サンスイグループの代表ということでグループ全体のインタビューになりました。
(写真1) つくば山水亭 阿吽の呼吸の仁王像

質問:つくば山水亭の創業はいつになるのでしょうか。
回答:私はサンスイグループの代表という立場にありまして、つくば市内に山水亭を含むいくつかの事業を経営しています。まず、サンスイグループとして全体像をお話しする方が、理解しやすいと思います。

質問:それでは、現在のサンスイグループについてのお話しからお願い致します。
回答:主につくば市で事業を展開しています。ホテル「つくばグランドホテル」、テーマパーク「つくばわんわんランド」、老犬介護ホーム「ひまわり」、ペット霊園「紫峰苑」、動物病院、教育事業、料亭、レストラン、ドーナツショップ、カフェなどですね。

質問:どの事業がサンスイグループとして最初なのでしょうか。
回答:筑波山中腹にあります収容人数350名の筑波山温泉“万葉の宿”「つくばグランドホテル(前身は筑波山ホテル山水荘)」です。

質問:先日筑波山に登山した帰りに、知人から西谷先生(総合科学研究機構理事長)の著作になる「徳一菩薩の本」がつくばグランドホテルで売っているよと教えてくれました。徳一菩薩は最澄、空海の時代の高僧ときいたことがありますが、代表も尊敬されているのでしょうか。
回答:西谷先生が徳一菩薩に傾倒されていて、本を出版されたり、講演会を地元で何回も開催されていました。筑波山に縁のある高僧ということで聴講いたしました。知れば知るほど自然と尊敬するようになり、地元の人や観光客にも知って欲しいということで、書物もフロントに置いています。結構売れていますよ。また、東日本大震災でホテルが被災し、修復に併せて、ホテルの玄関に「徳一」の額を掲げたり、徳一菩薩の紹介をしたりしています。

質問:筑波山の近くに「わんわんランド」が開園したのは?
回答:常磐道の延伸で交通の便が良くなり、筑波山が観光地として日帰り圏内になりました。筑波山にあるホテルの宿泊者数が頭打ちになり、その対策の一つとして山麓に敷地面積3万坪を超える犬の体験型テーマパーク「つくばわんわんランド」を始めました。私自身がペット好きという理由も勿論ありました。「つくばわんわんランド」はお陰様で今年20周年を迎えましたよ。
(写真2) サンスイグループ代表 東郷治久氏

質問:「つくばわんわんランド」はサンスイグループと知っていましたが、先程の話で老犬介護ホーム「ひまわり」、ペット霊園「紫峰苑」、動物病院「つくば獣医診療センター」も経営されているとか。多角的な経営ですね。
回答:動物病院、およびペット霊園は当初は「つくばわんわんランド」の犬のための病院、霊園でしたが、一般にも開放して欲しいというニーズから事業として始めました。また、飼い主の老齢化に伴い、諸々の理由で犬を飼えなくなった方々に代わって犬の世話をする老犬介護ホーム「ひまわり」もお客様からの要望で始めました。時代を反映するとしてマスコミから大変注目され、そのせいもあって、予想を超える需要に驚いています。高齢化社会に移行している現代日本では必須な事業でしょう。時代を感じますね。

質問:教育関係での事業はどのようなものでしょうか。
回答:教育事業として、高卒後に入学する学校法人つくば文化学園「つくば国際ペット専門学校」等があります。「つくばわんわんランド」内の人材育成のために始めたものですが、学校法人となり一般からも入学を受付けることになりました。わんわんランド隣接という恵まれた学校であるため、全国から応募があり、ペット系の専門学校としては日本でもトップクラスにまで成長するに至りました。
 さらにペット専門の通信教育「日本ケンネルカレッジ」があります。いろいろな事情で通学できない生徒さん向けに通信教育で行っています。沖縄から北海道まで受講生があります。

質問:料亭、レストランなどは如何でしょうか。「つくば山水亭」、国際会議場内のレストラン「エスポワール」の登場ですね。
回答:学園中心部には料亭「つくば山水亭」、国際会議場内レストラン「エスポワール」、イオンつくば内とイーアスつくば内の2か所に「ミスタードーナツ」店、ララガーデンつくば内には「キーズカフェつくば」等がありますね。

質問:多角的経営で成功を収めているサンスイグループの生い立ちをお教え下さい。
回答:当社の歴史ですが、創業は大正8年、1919年になります。今から97年前に常総市水海道で米穀商としてスタートしました。山水亭のロビーに創業時の初荷の写真がありますので、お帰りの際に是非ご覧になって下さい。祖父が創業者で、私は3代目に当たります。

質問:もう少しで創業100周年ですね。事業を継がれたのはいつ頃でしょうか。
回答:私は大学卒業後、三菱商事に入社、エネルギー部門に配属され、昨今、内戦、難民問題で話題のシリヤ共和国のダマスカスに駐在するなど主に中東地区を担当し、父の病気を機に同社を退社し、サンスイグループに1983年,34歳で入社しました。三菱商事には都合11年の勤務となりました。社長になりましたのは42歳の時です。

質問:創業は常総市水海道ですが、つくばを拠点とされたのは、いつ頃でしょうか。
回答:茨城に戻ったのは今、申し上げました1983年、科学万博の前々年です。未開の地であった学園地区は一面の雑木林ばかりで、筑波大学や研究所等がぽつんと点在しているだけのビジネスの視点から見たつくばは魅力のない場所でした。
 そんな時に半年で2,000万人が来場するという科学万博が開催予定となり、それまで常総市、土浦市、牛久市等で事業を展開していた当社はつくば市に注目し、まずは科学万博に全力投球をいうことになりました。万博会場内、特に有力パビリオンの中に13か所の売店、レストランを開き、つくば市での事業のきっかけとなりました。

質問:科学万博を契機に事業を新展開したということですね。
回答:そういうことですね。それを機に本社も土浦からつくばへ移しました。

質問:つくば山水亭もそのころでしょうか。
回答:1985年に開業の豆腐料理専門店を経営されたいた方からの要請があり、1987年に経営を引き継ぎました。名称も「つくば山水亭」に変更し、豆腐料理専門店から日本料理を提供する料亭にいたしました。

質問:つくば山水亭とされた理由は?
回答:屋号は当社の経営するつくばグランドホテルの前身「筑波山ホテル山水荘」からとりました。
(写真3) 枯山水の日本庭園

質問:現在のつくば山水亭の特徴をお願いします。
回答:庭園・建物の基本部分は前身の豆腐料理専門店から引き継いでいますが、つくば山水亭になり、何度か改修、増築を行って現在に至っています。枯山水の日本庭園とその名園に包まれて味わう日本料理が特徴です。

質問:つくば山水亭がG7科学技術大臣会合の際、食事会場になりました。
回答:そうです。つくば山水亭がこの度のG7科学技術大臣会合の昼食会場として選ばれ、大臣たちが集って昼食を取っていただきました。大変名誉なことだと思っております。

質問:いろいろなご配慮をされたと思いますが・・・。
回答:茨城・つくばの素晴らしさ、日本の素晴らしさを知っていただくこと、それが日本国のためにもなるとの思いで一生懸命応対致しました。庭を観賞いただき、琴の演奏も屋内、屋外で聴いていただきました。枯山水庭園の日本美の素晴らしさを体験していただけたと思っています。
 食事に関しましても、純和風の会席料理でしたが、ご満足いただいたのではないかと思っています。

質問:つくば山水亭のご案内をお願いします。
回答:ご披露宴、ご宴会や各種パーティーなどの集まりを華やかに演出します。ご披露宴や会議にレセプションホール万葉(立食250名、着席200名まで)、ご披露宴やご宴会用に掘りごたつ式の大宴会場 南の館(120名まで)、ご会食、ご結納に西の館(80名まで)、また中壺につくばいがある茶室(16畳)もございます。
(写真4) 西の館

質問:つくばも2005年のTX開業などの大きな変化があり、さらの東日本大震災なども体験しました。それなりの影響があったと思いますが。
回答:つくばはTXを境に大きく変わりました。その後、街の活力も年々増え続け、来館されるお客様の数が一段と増加しております。
 東日本大震災の時は瓦が崩れるなど館内いたるところでかなりの被害を出ましたが、比較的短期間で原状に復帰致しました。

質問:つくばサイエンスアカデミー(SAT)の賛助会員として、SATへの御支援をいただき感謝申し上げます。サンスイグループ経営のつくば国際会議場内のレストラン「エスポワール」はSAT行事でも利用させていただいています。現在、SATの最大の行事であるテクノロジーショーケースのポスター発表者の表彰式兼交流会会場、SATつくばスタイル交流会の茶話会、サイエンスカフェ会場でもあります。何かご要望などありましたら。
回答:レストラン「エスポワール」は国際会議場にありますので、今後ともいろいろな行事に使用いただければと思っています。

SAT:昨年度のショーケース(H28.2.4)の表彰式兼交流会に参加致しました。若い方ばかりでなく、シニア層の参加も多く、盛り上がっていました。お開きの時間があっという間に来てしまったという感じでした。サービスもいろいろとしていただいていることと思います。また、SATつくばスタイル交流会、SATサイエンスカフェでもお世話になっています。今後とも宜しくお願い致します。
 SATの事業は顕彰事業、異分野の研究者・技術者のポスター発表の場であるテクノロジーショーケース、世界的な研究者を招聘しての講演会であるSATフォーラム、SAT会員と市民の交流の場であるSATつくばスタイル交流会、賛助会員同士おおよび賛助会員とつくば研究者の交流の場としての賛助会員交流会、異分野の研究者も含めての研究情報交換会など実施しています。時間の許す限り参加いただければと思います。

 今後ともSATへの変わらぬ御支援をお願い致します。
 本日はありがとうございました。


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