会長挨拶
つくばサイエンス・アカデミー 会長挨拶

我が国においては、科学技術政策を国家戦略の根幹と位置づけ、他の重要政策とも密接に連携しつつ、科学・技術によるイノベーションの実現に向けた政策を展開しています。県においても、日本をリードする「科学技術創造立県いばらき」を基本目標に掲げ、絶えざる研究開発やイノベーションの創出、それらを支える人材を育成することで、我が国の科学・技術をリードする拠点を形成するとともに、その成果を社会に還元していくための施策を推進しています。
幸いにして茨城県では、つくば・東海における先端的研究施設や、日立・鹿島地域における産業集積などを最大限に活用することで、これまで以上に科学・技術の発展、振興へとつなげていくポテンシャルを有しています。
なかでもつくば市は、大学、国立研究開発法人等に加え化学、製薬、建設、食品等70以上の民間企業の研究所が立地し、現在では、2万人にものぼる研究者を擁する世界最大級の研究開発拠点として世界に誇る多くの研究成果を生み出しています。
各研究機関は、厳しい国際競争の中で、研究開発の質の向上とその成果の活用(use)が求められており、特に大学や国立研究開発法人等においては、新しいknowledgeを創造して科学の世界に貢献するだけでなく、そのknowledgeのuseにも真剣に取り組み、ベンチャーの創出などにも力を尽くす必要があります。
科学・技術は分野や組織を越え、研究者同士が相互に交流し、触発し合うことで初めて集積結果が生まれます。そのような思いから、1999年につくば国際会議場開館記念とてして開催されたmulti-disciplinaryな国際会議「サイエンス・フロンティアつくば999」のつくば宣言において「つくばサイエンス・アカデミー(SAT)」の設立が採択され、翌2000年11月に当アカデミーが発足しました。その後、2009年に目的を同じくする財団法人茨城県科学技術振興財団と統合したことで、運営基盤も一層強化されました。
当アカデミーは、異なる専門分野間の交流を深め、その触発による先駆的新研究領域の創造、研究成果の技術移転・製品化、科学の啓発による次世代を担う若者の育成などに貢献することを目的に、これまで、SATフォーラムやテクノロジー・ショーケース、会員の交流事業等に取り組み、筑波研究学園都市における研究、開発活動を一層活気づける「知の触発拠点」としての役割を演じてまいりました。
これからも、21世紀の科学・技術が進むべきビジョンを探索しつつ、科学・技術を大いに活かした社会の健全な発展に寄与してまいりたいと考えております。
何卒、今後ともご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
会長