What's New事業内容入会案内サロンレオ組織と規程申込み・問合せ
日時2012/12/11
件名第8回賛助会員交流会を開催しました
内容 つくばサイエンスアカデミー(SAT)主催の第8回賛助会員交流会が、平成24年11月22日(木)午後、つくば国際会議場303号室にて開催されました。
 SATをご支援下さっている賛助会員企業(SATホームページ企業訪問記参照)を中心に、研究サイドの皆さんも含め交流していただくことで、SATの基本的な目標である「知の触発」につながるのではないか、賛助会員交流会はそんな趣旨で開催されております。今回は、合計で22名の方にご参加いただきました。

 第8回交流会の内容は以下のようです。(敬称略)
1.SAT太田総務委員挨拶
2.SAT紹介・本交流会開催の趣旨・経過説明・訪問企業紹介:溝口コーディネーター
3.企業個別紹介2件(敬称略、各30分)。
@育良精機株式会社          常務取締役 佐藤憲治
A(株)つくば研究支援センター     常務取締役 一條久夫
4.つくば研究者側講演3件(敬称略、各30分)     
@「産官連携によるSiフォトニクスを用いた光スイッチの開発」
NECグリーンイノベーション研究所 蔵田和彦
A「小麦粉・グルテンなしで米粉生地を膨らませる食品加工技術」
            (独)農研機構食品総合研究所蛋白質素材ユニット長 矢野裕之                  
B「宇宙医学に学ぶ高齢者の健康長寿」 
          (独)宇宙航空研究開発機構 宇宙飛行士運用技術部
            宇宙医学生物学研究室室長 大島 博
5.まとめおよび交流の可能性について     溝口コーディネーター
6.閉会挨拶(SAT丸山総務委員) 

 太田先生の挨拶の後、溝口から本日の議事・SATの紹介・交流会の趣旨・訪問企業紹介などをさせていただき、本題に入りました。

 まず企業側からのお話ですが、育良精機(株)の佐藤常務からは、同社を含む広沢グループ全体の事業内容についてご説明がありました。広沢グループとしては、製造、流通開発サービス、教育・健康の3部門からなり、製造部門では金属加工が主体で自動車部品・事務機器部品・歯科医療機器・金庫などを製造しておられますが、歯科医療機器製造に関連しては、教育・健康部門で歯科専門学校を運営しておられるとのことです。育良精機(株)としては、省力機器(旋盤に棒材を自動供給するバートップ)、高機能工具を製造しておられます。お話を聞いていて、研究現場に必要な機械や装置は、同社に頼んだら何でも作ってもらえそうな気がしてきました。

 つくば研究支援センター(TCI)は、産学官連携による新事業創出、ということで、ラボやオフィスのレンタル、インキュベーション支援を行っておられます。私はそのように理解していたのですが、一條常務のお話では、施設提供だけでなく、ベンチャー創業時の無料相談(財務、労務・・・)や他地域を含めたいろいろな形の産学交流など、多彩な事業を展開しておられます。私は、施設入居者の交流も大切ではないかと思っていたのですが、これについては、家族の参加もあるようにということで、非常に良いことに思いました。 最近は独立行政法人独自のベンチャー育成が進んでいますが、つくばを盛り上げるにあたっては、TCIの貴重なノウハウ活用も大切であるように思われます。


 次に研究者サイドの3件のご講演ですが、事前に異分野の方々にもとっつきやすいようにというお願いがしてあり、それぞれに分りやすく興味深いお話をしていただきました。

@NECの蔵田研究員のご講演:「産官連携によるSiフォトニクスを用いた光スイッチの開発」は、一例では半導体の微細加工技術を応用して、Siウエハ上に光スイッチ回路を形成しようというもので、2本の光導波路の一方を途中で加熱すると屈折率が変わって位相がずれる、これを使うと、干渉によって指定された導波路にのみ光が通るとのことです。光スイッチと光ファイバの接続は産総研との共同研究です。微細加工技術自体は既存のLSIと同等のレベルで高いものではない、とのことですが、かなり重要なところまでお互い踏み込んだ共同研究が進んでいるようで、これからはこういう研究形態が必要であろう、という印象を受けました。

A食品総合研究所矢野ユニット長のご講演:小麦粉パンでは、ペプチド間のジスルフィド結合(S-S)でグルテンができ組織がしっかりして、発酵時にできる炭酸ガスを逃がさず、ふっくらと焼きあがります。これに対して米粉では、ペプチド分子内でのジスルフィド結合なので、膨らみません。これが問題であったのですが、グルタチオンというペプチドを使うと、うまく膨らむようになったとのことです。パンの味も好評のようで、何か楽しくなるようなお話でした。米粉パンがおいしく焼けるようになれば、小麦粉パンによるアレルギーの心配がなくなりますし、コメの需要も増えるように思われます。膨らむメカニズムについて、なお検討が必要なようですが、米粉パンが広く普及するよう、大いに期待したいものです。

BJAXA大島室長のご講演:宇宙飛行士が地上に戻ってくると、足元のおぼつかない場合があるようです。無重力空間での生活で骨や筋肉が衰えているのです。宇宙生活の中に運動が取り入れられているのですが、それでもある程度劣化し、地上でのリハビリにかなり時間がかかるようです。骨や筋肉の衰えは、老化と共通しています。したがって、そのメカニズムがわかれば、老化を抑えることに役立つかもしれません。
大島室長からは、宇宙医学がどんなものか、それがどのように役立つか、熱を込めて話していただきました。宇宙での生活が老化メカニズムの解明に役立つ、などということは、私も最近まで知らなかったのですが、興味の尽きないお話でした。高齢者のQOL向上のための具体的方策が提案される日も、そう遠くないように思いました。



 5のまとめと交流の可能性についてでは、私の方から、今後の議論の論点として、二つの考え方を提案させていただきました。
 一つは、全く異なる分野の5件のご講演に共通しそうな課題として、@それぞれの分野について可視化を試みること、および、Aそれぞれの分野の手法・技術を他分野に応用することです。@では、例えば流れをキーワードに、無重力状態での血液の流れの解析は役に立たないか、あるいは、超高速歯科治療用タービンの回転と歯の切削効果解析といったようなことです。
 二つ目は、広い分野で全体をまとめるような考え方(Integration )を出したらどうかという点、たとえば、健康モデルシテイという大きな切り口で見ると、今日のお話のいくつかに参加していただけるのではないか、ということです。
 このような論点をもとに、総括的な議論をと思ったのですが、それは懇親会の話題に持ち越しになりました。

 第1部の交流会は、予定を20分程度超過しましたが、SATの丸山総務委員に本日の会議の意義についてうまくまとめていただきました。

 6:00pmには、第2部として懇親会(402号室)が開催され、これには14名にご参加いただきました。SAT小玉総務委員の乾杯挨拶から始まって、終始和やかな交流が続きました。まったくの異分野の研究者・技術者が交流することは、つくばでもほかの地域でもめったにあることではありません。総務委員の先生方のご参加も得て、本懇親会は非常に有意義なものであると思います。今回は、ちょっと参加者が少なく、それが残念に思われました。

 閉会挨拶はつくば研究支援センターの一條常務にお願いして(ご講演の上に急にお願いして申し訳なかったのですが)、締めくくっていただきました。
ご講演の皆様、ご参加の皆様、ご協力有難うございました。
(SATコーディネーター、溝口記)

付記:賛助会員の事業内容などはSATホームページの訪問記をご一覧下さい。
http://academy.fureai.or.jp/visit/index.html
また、研究者側のご発表は、「TXテクノロジー・ショーケースin つくば2012(つくば国際会議場にて、幹事機関JAXA)」でポスター発表されたものの中からお願いしております。 

Copyright (c) Science Academy of Tsukuba. All Rights Reserved.