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2019年2月7日掲載
第14回研究情報交換会(1月11日(金))開催報告
テーマ「持続可能な社会におけるプラスチックのつくり方・つかい方」

 つくばサイエンス・アカデミー(SAT)では研究テーマを決め、複数の研究者に話題提供いただき、異分野交流による「知の触発」を意識した研究情報交換会を開催しています。今回はマイクロプラスチックによる海洋汚染で人々の関心を集めているプラスチックの課題をテーマ「持続可能な社会におけるプラスチックのつくり方・つかい方」として開催致しました。参加者は29名でした。 

(開催報告要約)
 プラスチックリサイクルに興味のあるSAT会員をはじめ、リサイクル関連企業からの参加者、生分解性プラスチックに関連した研究者、企業で環境部門に所属している方々などの参加があり、活発な意見交換がありました。

 講演は3名の方にお願い致しました。
○産総研 環境管理研究部門 資源精製化学研究グループ 上級主任研究員 加茂 徹氏
「SDGsが目指す持続可能な社会におけるプラスチックの使い方」
○産総研 触媒化学融合研究センター 官能基変換チーム 研究チーム長 富永健一氏
「バイオマスベースプラスチック開発の現在と将来」
○産総研 イノベーション推進本部 知的財産・標準化推進部 審議役 国岡正雄氏
「環境に関わるプラスチックのISO国際標準化」

 フリーディスカッションでは、プラスチックのつかい方・つくり方に関して、従来のコストと効率のみではなく、環境と倫理を考えていくことであり、意識・行動の転換が必要であるという前提にたって、どうしたらそのような意識・行動に転換していくのかについて議論が展開されました。
 つかい方に関しては、自動車排ガスの規制に関するマスキー法の例もあり、トップダウン的な政策・規制なども必要という意見がありましたし、同時に教育や見える化を通しての地道な取り組みが基本になって環境・倫理を考えていく行動が広がって欲しいという意見もありました。まだまだ不十分ではあるものの世界的にエコ行動が始まっている事例の紹介もありました。また、デジタル家電製品をリサイクル販売している企業からはエコの視点をお客さんに理解してもらうことについての課題なども出されました。
 つくり方に関しては、バイオマスベースプラスチックの現状と今後について研究の現場からの成果と課題についての講演がありました。今後重要となる化学とバイオの協創が現実には難しい現状が述べられ、どうすべきかについて議論されました。バイオベースプラスチックの特徴、生分解性を併せ持つバイオベースプラスチックの今後などについても意見交換がなされました。
 つくば市では4月からプラスチック回収法が変更となり一部マテリアルリサイクルが行われることになっています。環境・倫理を日常生活において考える一歩にと思いました。
 
 より詳細な開催報告は以下をご覧ください。↓
http://www.science-academy.jp/pdf/koukankai-14-2.pdf