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2019年10月30日掲載
第15回研究情報交換会(10月1日(火))開催報告
テーマ「加熱しないで、ち密なセラミックス膜をつくる方法(AD法)」
               主催:つくばサイエンス・アカデミー(SAT)
               共催:先進コーティングアライアンス(ADCAL)

 つくばサイエンス・アカデミー(SAT)では研究テーマを決め、異分野交流による「知の触発」を意識した研究情報交換会を開催しています。研究情報交換会では、テーマに関連して複数の研究者に講演をお願いし、その後、異分野の参加者を含む方々との自由討論を行います。
 今回、先進コーティングアライアンスと共催で、第15回研究情報交換会を開催しましたので報告致します。参加者は28名でした。

 テーマ 「加熱しないで、ち密なセラミックス膜をつくる方法(AD法)」
 (趣旨) 加熱しないで、ち密なセラミックス膜をつくる方法はエアロゾル・デポジション法(AD法)を指す。AD法は微粒子をガスと混合、エアロゾルとし、ノズルを通して基板に衝突させることによってセラミックス膜を作製するものです。通常セラミックス膜は高温での熱処理が必要ですが、ある条件を満足した場合には、AD法によって基板などを加熱しなくても、ち密なセラミックス膜ができるので、常温衝撃固化法と呼ばれています。
 「セラミックス粒子が数ミクロン以下の粒子径になると、粒子衝突による高圧負荷下で、常温で塑性的流動を起こし、それによる粒子表面の新生面の形成、活性化により粒子間結合が常温でも促進され、結果として常温でち密な透明性の高いセラミックス膜が得られる」というメカニズムが考えられています。
 研究情報交換会では、“摩擦空間に発生するマイクロプラズマ研究の立場”および“地球科学における脆性・塑性転移について研究している立場”からコメントをいただき、AD法のメカニズムについて意見交換を行うとともに、AD法のさらなる発展のために、何をすべきかについて考えていきます。

 講演は3名の方にお願いしました。
○ 「常温衝撃固化現象とセラミックスコーティングへの応用」
   産総研 先進コーティング技術研究センター長 明渡 純氏
○ 「摩擦電磁気現象の発生機構と発生特性」
   メゾテクノロジー研究所 代表 中山景次氏
○ 「地殻物質の脆性・塑性転移と地震発生・AD法」
   産総研 活断層・火山研究部門 主任研究員 重松紀生氏

 研究情報交換会の概要は以下をご覧ください。↓
http://www.science-academy.jp/pdf/koukankai-15-2.pdf