What's New
テーマ「カーボンナノチューブ(CNT)技術開発の現状と今後」
主催:つくばサイエンス・アカデミー(SAT)
つくばサイエンス・アカデミー(SAT)では研究テーマを決め、異分野交流による「知の触発」を意識した研究情報交換会を開催しています。研究情報交換会では、テーマに関連して複数の研究者に講演をお願いし、その後、異分野の参加者を含む方々との自由討論を行います。
この度下記の要領で第16回研究情報交換会(懇親会も含む。懇親会は有料 1,000円/人)を開催します。会員、非会員に関わらず参加可能です。皆様の参加をお待ちします。
参加募集要領:
・参加募集人員 20名
・参加費は無料。但し、懇親会費は1,000円/人を当日徴収します。
・参加希望の方は、メールで申し込み先 academy@epochal.or.jp まで、
「第16回研究情報交換会参加」と記載し、①氏名、②所属機関、部署、③専門分野、④連絡先(電話番号、e-mail)、⑤懇親会参加希望の有無を連絡ください。
記
1. 日時: 2020年2月6日(木) 午後5時から8時30分
2. 場所: つくば国際会議場 4階 サロンレオ会議室
3. テーマ: 「カーボンナノチューブ(CNT)技術開発の現状と今後」
(趣旨) カーボンナノチューブ(CNT)は1991年に飯島澄男先生によって発見されて以来、新しい炭素材料として世界的に注目を集めて今日に至っています。
現状は、産総研で研究開発されたスーパーグロース・カーボンナノチューブ(SGCNT)を日本ゼオン㈱が産総研との共同研究によって量産する技術の開発を行い、高品質のSGCNTのサンプル供給が行われ、各企業でCNTを含む材料・部材開発が行われているステージになっていますが、産業応用が期待通りに展開されているかというとこれからと言えるのではないかと考えます。
そこで、まずCNT技術開発の概要について産総研から紹介いただきます。次いでSGCNTの量産技術とともに複合材料への応用展開に関する現状と課題について企業研究者(日本ゼオン)の立場から講演いただくとともに、CNTの特性解析や複合材料製造で重要な分散凝集などに関する評価研究を基礎的に検討している産総研研究者にも講演をお願いしました。今後の展望について参加者とフリーディスカッションし、新しい発想に結びつくことができればと考えています。
4.プログラム:
・開会挨拶 【午後5時~5時5分】
・講演 【午後5時5分~6時10分:湯村氏(講演10分+質疑5分)
上島氏、岡﨑氏(講演20分+質疑5分)】
○ 産総研 ナノチューブ実用化研究センター 名誉リサーチャー 湯村守雄氏
「単層カーボンナノチューブ」の研究開発と民間企業による事業化のスタート
(産総研の技術シーズを橋渡し)
○ 日本ゼオン株式会社 CNT研究所 所長 上島 貢氏
「カーボンナノチューブの事業化、今後の展望」
○ 産総研 ナノチューブ実用化研究センター 副研究センター長 岡﨑俊也氏
「実用化のためのナノカーボン評価法開発」
・フリーディスカッション 【午後6時10分~7時25分】
・閉会挨拶 【午後7時25分~7時30分】
・懇親会 【午後7時30分から8時30分】
(講演者の講演概要)
○ 産総研 ナノチューブ実用化研究センター 名誉リサーチャー 湯村守雄氏
「単層カーボンナノチューブ」の研究開発と民間企業による事業化のスタート
(産総研の技術シーズを橋渡し)
(要旨) カーボンナノチューブは、様々な優れた特性を持ち、大きな注目を集めている。1991年に飯島澄男博士の論文が発表されて以来、産総研において、産業への応用を目指して研究開発を進めてきた。2004年に、高品質単層カーボンナノチューブの革新的量産技術が開発され、さらに複合材料への応用、評価技術の開発へと展開した。これらの産総研の技術シーズを産業界へ橋渡しを行い、産業界との共同開発により産業化が一気に進められた。本講演では、これまでの研究開発の概要を紹介し、今後の展開を紹介する。
○ 日本ゼオン株式会社 CNT研究所 所長 上島 貢氏
「カーボンナノチューブの事業化、今後の展望」
(要旨) カーボンナノチューブはその優れた特徴から産業への展開が期待される材料であり、これまで多くの研究開発が実施されてきている。当社は2006年からNEDOプロジェクトに参画、産総研と連携し、高品位な単層カーボンナノチューブ量産技術開発を進め、2015年から量産工場の稼働をスタートさせてきている。本講演では、当社におけるカーボンナノチューブの開発状況について紹介するとともに、今後の展開も併せて紹介する。
○ 産総研 ナノチューブ実用化研究センター 副研究センター長 岡﨑俊也氏
「実用化のためのナノカーボン評価法開発」
(要旨) 21世紀になって起こったデジタル化によって、いつでもどこでも膨大な情報にアクセスすることができ、国境を越え、離れた場所でも人的ネットワークを形成することが可能になった。その結果、モノづくりの本質は製品をデザインする設計図をつくることとなっている。我々、産総研ナノチューブ実用化研究センターではナノカーボン材料の実用化に際し、その設計情報を得るために必要な種々の評価手法の開発をおこなっている。本発表では、用途に応じて異なるCNTの特性の違いや、これまでブラックボックス化していたCNT凝集状態の評価法など、材料加工・製造プロセスを「見える化」する手法開発について紹介したい。