特別シンポジウム(企画:国立環境研究所)
カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーが導く未来社会
16:00〜18:00 つくば国際会議場 中ホール 300

 気候変動問題と資源・廃棄物問題の解決に向けた技術的・社会的取組の現状と展望、課題解決にあたっての主体間の連携の役割について議論します。

【プログラム】
16:00~第1部 特別講演 座長 国立環境研究所 理事 森口祐一
あいさつ 国立環境研究所 理事長 木本昌秀
16:02~1.地域で取り組むカーボンニュートラル
芝浦工業大学 副学長 磐田朋子
16:22~2.カーボンニュートラルと資源循環へのチャレンジ
トヨタ自動車株式会社 CN先行開発センター
環境エンジニアリング部 部長 山戸昌子
16:42~3.カーボンニュートラルに挑む革新技術
産業技術総合研究所 ゼロエミッション国際共同研究センター
副研究センター長 工藤祐揮
17:02~4.サーキュラーエコノミーの社会実装と評価
東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 教授 村上進亮
17:22~休憩
17:30~第2部 パネル討論
カーボンニュートラル及びサーキュラーエコノミー技術の社会実装の課題と主体間連携の役割
モデレーター:座長 国立環境研究所 理事 森口祐一彦
パネラー:国立環境研究所 資源循環領域 室長 南齋規介
     第1部の講演者 磐田朋子、山戸昌子、工藤祐揮、村上進亮
第1部 特別講演
座長 国立環境研究所 理事 森口 祐一(もりぐち ゆういち)氏
1.地域で取り組むカーボンニュートラル

 多様な人が暮らす社会において、それを包含する地域が脱炭素化に向かうためには何が必要なのでしょうか。無関心層の存在や、既にある再エネ・省エネ技術ですら社会に浸透していない現実を踏まえて、地域では実行可能かつ効果的な脱炭素策を打ち出すことが求められています。本講演では、脱炭素先行地域における事例を交えて、意識啓発だけに頼らない地域のカーボンニュートラル化に向けた取組をご紹介します。

【講演者】

磐田 朋子(いわた ともこ)氏

芝浦工業大学 副学長

講演者の略歴
東京大学工学部地球システム工学科卒業。同大大学院新領域創成科学研究科環境システム学専攻で博士(環境学)を取得し、同研究科の助教に。建築研究所、科学技術振興機構低炭素社会戦略センターを経て、2017年4月より芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科に着任。環境省や地方公共団体などの各種委員を務めている。
2.カーボンニュートラルと資源循環へのチャレンジ

 サステナブル社会構築に向けて気候変動と資源枯渇が大きな課題となっています。各国・地域の状況、資源、環境の多様性を踏まえ、今できることから、世界中のステークホルダーの皆様と一緒に取組を加速していくことの重要性をお話ししたいと思います。

【講演者】

山戸 昌子(やまと まさこ)氏

トヨタ自動車株式会社 CN先行開発センター
環境エンジニアリング部 部長


講演者の略歴
1992年トヨタ自動車株式会社技術管理部にて、燃費排出ガス規制渉外、製品開発分野の環境マネジメント導入(ISO14001認証取得)及びライフサイクルアセスメントの開発プロセスへの導入を担当。その後、2000年から環境部にて製品開発における中長期CO2削減戦略の企画・推進、2011年からは技術統括部にて中国の燃費技術開発シナリオ策定。2014年から環境部。2015年に「トヨタ環境チャレンジ2050」を策定し、現職では、目標達成に向けた製品、生産(精算)、資源循環、販売店・仕入れ先の環境取組推進を担当。
3.カーボンニュートラルに挑む革新的技術

 人類の共通の課題であるカーボンニュートラルを実現するためには、既存の技術の延長線上にはない、革新的な技術が果たす役割に大きな期待が寄せられています。この講演では、産総研が行っている研究開発を中心として、カーボンニュートラルに挑む革新的技術についてご紹介します。

【講演者】

工藤 祐揮(くどう ゆうき)氏

産業技術総合研究所 ゼロエミッション国際共同研究センター 副研究センター長

講演者の略歴
東京大学大学院工学系研究科地球システム工学専攻博士課程修了、博士(工学)。国立環境研究所ポスドクを経て、2004年10月に産業技術総合研究所入所。ライフサイクルアセスメント研究センター、安全科学研究部門、ゼロエミッション研究戦略部研究企画室、エネルギー・環境領域研究戦略部研究企画室を経て、2022年4月より現職。エネルギーシステム工学やライフサイクルアセスメント(LCA)の視点に基づく、クリーンエネルギー・低炭素技術の評価研究に従事。
4.サーキュラーエコノミーの社会実装と評価

 サーキュラーエコノミー自体は目的ではなく、持続可能な社会を目指す上での手段だと考えるべきです。したがって、これまでにも増してその評価は重要なものになります。ここでは現在作成途上にあるISO規格を始めとする様々な循環性評価について、実際の社会実装の事例、特にリマン、リユース、サブスクといったビジネスモデルを用いたものの紹介と組み合わせて紹介します。

【講演者】

村上 進亮(むらかみ しんすけ)氏

東京大学大学院 工学系研究科
技術経営戦略学専攻 教授


講演者の略歴
2000年Colorado School of MinesにてMaster of Science (Mineral Economics)、2004年に東大にて博士(工学)を取得した後、2007年3月までは国立環境研究所、その後東京大学大学院工学系研究科にて講師、准教授を歴任の後、2022年8月から現職。金属鉱物資源の持続可能な利用に関する様々な研究、特に社会システムの設計・評価に関わる研究に従事するとともに、国内では各種関連の審議会、検討会等にて座長、委員を多く務める。現在はISO TC323 (Circular Economy)の国際エキスパート、国内委員会の分科会の主査などを務めている。
第2部 パネル討論
カーボンニュートラル及びサーキュラーエコノミー技術の社会実装の課題と主体間連携の役割
【モデレーター】

森口 祐一(もりぐち ゆういち)氏

国立環境研究所 理事長

モデレーターの略歴
京都大学工学部卒業、博士(工学)。1982年国立公害研究所に入所、環境庁、OECD事務局、国立環境研究所循環型社会・廃棄物研究センター長、東京大学都市工学専攻教授等を経て2019年から現職。2023年日本学術会議会員、環境学委員長。環境省、経済産業省等の地球温暖化対策、循環型社会分野の公職多数。国際資源パネル元メンバー。専門は環境システム学・都市環境工学。
【パネラー】

南齋 規介(なんさい けいすけ)氏

国立環境研究所 資源循環領域 室長

パネラーの略歴
京都大学大学院エネルギー科学研究科エネルギー社会・環境科学専攻修了後(博士(エネルギー科学))、2001年より国立環境研究所に勤務。ライフサイクル分析やサプライチェーンの持続可能性評価の研究に従事。現在、「物質フロー革新研究プログラム」の総括、名古屋大学大学院環境学研究科客員教授、国連環境計画国際資源パネルのパネルメンバーを務める。
【パネラー】

第1部特別講演の講演者4名